白内障の治療

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白内障の治療


一旦発症すると元には戻らない。軽度の場合は薬により進行を抑えたり、眼鏡・コンタクトレンズで矯正する。ただし、近年、薬物治療の有効性は疑問視されており、厚生労働省の研究班は「効果は不明」としている。

生活に不自由がある場合は、水晶体の白濁を除去して眼内に人工のレンズを挿入する外科手術を要する。昔は眼底深くまで麻酔の注射をしたため大きな痛みをともない、また角膜(黒目)を大きく切開してレンズを縫い付けていたので入院が必要であったが、医療技術の発達により麻酔は点眼麻酔(目薬の麻酔)になったので無痛手術が可能になった。

眼内レンズの小型化と折畳式レンズの開発により、現在では水晶体の内部に眼内レンズを挿入する手術(超音波水晶体乳化吸引術 (PEA) +人工水晶体挿入術)が主流である。この場合、変質して白濁した細胞を超音波で砕いて吸い出し、代わりに人工レンズを挿入する。切開は角膜と強膜(白目)の境目を数ミリ切るだけで縫合は行われない(縫合する場合もある)。また手術の時間も10〜40分で終わり(症状が進行してからの手術の場合、水晶体が固くなり過ぎて超音波で砕くのに時間がかかり、手術時間が延びる場合がある)、「日帰り手術」の場合は入院も必要なくなったので、患者への負担は飛躍的に改善した。ただし傷口からの細菌感染や眼圧の上昇による緑内障発症などの危険があり、最悪の場合は失明の可能性もあるので、術後しばらくは警戒が必要である。また、手術中に水晶体の殻に当たる部分(水晶体嚢)が破れたり、毛様体小帯(チン氏帯・チン小帯)の断裂により水晶体そのものが落下したりといった理由で眼内レンズを挿入できない場合があり、その際は再手術をしてレンズを直接縫い付けることが必要となる。

一般的な白内障手術の術中・術後の合併症として、次のようなものが報告されているという。
 ・緑内障 (0.2〜2.5%)
 ・後嚢破損 (1%)
 ・駆逐性出血 (0.55%)
 ・水晶体落下 (0.1%)
 ・眼内炎 (0.06%)
 ・その他(網膜剥離、術後高眼圧、嚢胞性黄斑症、視力低下、眼内レンズ偏移、水泡性角膜症、麻酔薬によるアレルギーショックなど)
術中駆逐性出血や術後眼内炎が発生した場合は失明の可能性がある。また、アトピー患者の場合は後嚢や毛様体小帯が弱い傾向にあり、後嚢破損や水晶体落下の危険性がやや上がるという。

手術で挿入する眼内レンズは、水晶体のように距離に応じてピントを合わせる能力がない。そのため患者は手術前に生活スタイルに合わせて慎重にレンズの度数を選ぶ必要がある。ただし、手術後の「度数」は眼球の直径(奥行き)とレンズの焦点距離によって決まるので、必ずしも期待通りの結果になるとは限らない。手術後に不自由を感じた場合、やはり眼鏡などで矯正する必要がある。ただし、最近では「多焦点」の眼内レンズも登場してきている。

ちなみに、人間はピント調節の際眼球も少しだけ歪ませて調節するため、手術後のピント調節能力が完全に0になってしまうわけではない。


当ブログの記事は一部ウィキペディアより引用しています。


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